「聴導犬」をご存知でしょうか? 聴覚に障害がある人に音が鳴ったことを知らせる犬のことです。 大阪府豊中市に住む、安藤美紀さん。生まれつき聴覚に障害があり音が全く聞こえません。 例えばスマートフォン。音が鳴ったことを安藤さんに知らせます。そして、その場所まで誘導します。 今度はブザーのような音。お湯が湧いて、やかんが鳴っていました。 安藤さんの生活にとってはレオンくんの存在は欠かせません。 そんな安藤さんに、去年、ショックな出来事がありました。大阪・梅田の百貨店に招かれ、聴導犬についての講演を行ったときのことでした。 終了後、講演会場と同じフロアにあるカフェに入ろうとしたところ、入店を拒否されてしまったのです。店員が聴導犬をペットを間違えたことが原因でした。百貨店は、従業員の教育が行き届いていなかったと謝罪しました。 安藤さん「私の声は届かなかったのかなという、悲しい気持ちでした。だけど、社会そのものが補助犬のこと、障がい者のことを細かく知らなかった。」 実は、レオンくんのような聴導犬は日本に59頭。盲導犬984頭に比べ圧倒的に認知度が低いのです。ペットに間違えられる理由がもうひとつあります。 奈良県にある聴導犬の訓練所です。訓練を受けていたのは、ペットとして人気のあるプードルやポメラニアンでした。盲導犬の多くは体を張って人を誘導するため、大型のレトリバーが選ばれます。一方、聴導犬は音に反応できればよいため小型・中型犬も数多くいます。種類も大きさも様々なため、聴導犬というイメージが定着しにくいといいます。 安藤さんは聴覚障がい者を支援するNPOの代表をつとめています。 聴導犬を多くの人に知ってもらうため、安藤さんが力を入れているのはマンガを使った活動です。自分とレオンくんとの生活をマンガにし、発表しています。 百貨店での一件の後、様々な犬種がいることについても、イラストを描きました。 また各地の小学校を回り、子供たちに聴導犬についての出張授業も行っています。 安藤さん「障がい者のサポートをしている犬たちがいることを、皆さんに知っていただきたい。それが私の強い希望です。」 聴導犬を理解してもらい、障害のある人が暮らしやすい社会を作るために、安藤さんとレオンくんの取り組みが続きます。 聴導犬についてスタジオトーク。 |