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2019年5月6日 朝日放送「CAST」にて紹介されました

聴覚障害のある方に、生活の中にある音を知らせる「聴導犬」を皆さん、ご存知でしょうか。


ここにいるのは聴導犬


耳の聞こえない人をサポートするワンちゃん


名前はアーミ


大阪市内で開かれたイベント。


ここで、耳の聞こえない人をサポートする聴導犬についての講演会が開かれました。


「これは玄関の音。ピンポーンって鳴ります」


(ピンポーンと音が鳴る)


(ピンポーンと音が鳴る)


(アーミが音の鳴った方へ行く)


「アーミちゃん、何、何ですか?」


「あ、こんにちは~」


講演を行なっているのは、耳が不自由な女性。
聴導犬の存在を知ってほしいと、その普及活動に力を注いでいます。


「聴導犬は、聞こえない私を社会につなげてくれる」


耳の不自由な女性と、彼女を支える聴導犬。
その姿を取材しました。


「はじめまして」
「はじめまして、こんにちは」


安藤美紀さん。生まれつき耳は全く聞こえませんが、読唇術を学ぶなどして、ある程度の会話ができます。


安藤さんと暮らす2頭の犬。


こちらが、初代聴導犬のレオンです。


8年間聴導犬として安藤さんを支えてきましたが、1年前に引退、今はペットとして暮らしています。


そして、こちらがアーミ。聴導犬になって、まだ1年あまりです。


レオンは周りのことや私のことを心配し、いろいろと頑張る真面目な子で


アーミができないときは、レオンが自分のお手本を見せる


こうやるんだよって わからないのか わからないのかって手本を見せる


(電子レンジの音が鳴る)


何? アーミ 何?


電子レンジの音が鳴ると、安藤さんに知らせ、その場所まで連れて行くアーミ。


そして、目覚まし時計の音にも。


(目覚まし時計が鳴りだす)


寝ている安藤さんの頭の下に顔を入れ、目覚まし時計が鳴ったことを知らせます。


聴導犬が来る前は、宅配便が来たとき、わからないので


1時間は絶対に玄関から離れないようにするとか


何回も何回もドアを開けてみたり


窓からトラックが来ていないかとか、落ち着かない


心が豊かになった 気を遣わなくなった


気を遣わなくなって、丸くなっちゃったけど


(ピンポーンとインターフォンが鳴る)


聴覚障害者の生活を支える聴導犬。しかし、現在活動しているのは68頭で、盲導犬の941頭に比べると、10分の1以下にも満たないのが現状です。


アーミとレオンが育てられた聴導犬の訓練施設です。


ここは、動物愛護センターによる殺処分寸前の仔犬たちを引き取り、トレーニングしています。


長年、聴導犬を育ててきた訓練士は、聴導犬が普及しない理由について、こう指摘します。
「聞こえない方自身が聴導犬を知らないとか、持つとどうなるのかとか、深い部分まで知らないということも、増えていかない・広がっていかない原因の一つだと感じている部分がありますね。
まず聴覚障害自体の理解、社会的な理解という部分だと思います。
聞こえないだけの障害だと思っている方はすごく多いですし、聞こえないことでどういう部分に困るのか、どういうふうになってしまうのかというところまで知ってもらわないと、本当の聴導犬の必要性や重要性は感じにくいと思います。


また、聴覚障害者は、視覚障害者などとは違い、見た目では障害があることが分かりません。


そのため、犬の入店を拒否されることもあるといいます。


お仕事の顔になったな



アーミとレオンを車に乗せ、外出する安藤さん。


補助ミラーを付けるなど一定の条件を満たせば、聴覚障害者も運転をすることができます。


耳代わりとなる聴導犬がいることで、安藤さんは安心して運転ができるのです。


バイクか


バイクか バイクね


車でおよそ30分。やって来たのは、大阪市内にあるNPOの事務所。
安藤さんは、この団体の代表でもあります。


NPOの活動は、聴覚障害と聴導犬の理解を広めることと


障害児が学ぶ場を増やす この2つを中心に活動している


仕事をする安藤さんの傍らで、静かに待機するレオンとアーミ。
事務所に鳴り響く様々な音を知らせ、安藤さんの仕事を助けます。


(ファックスの着信音が鳴る)


アーミ 何?


ファックス来たの ありがとう


(メールの着信音が鳴る)


アーミ 何? 何の音?


メッセージ来たね


犬がいるのといないのとでは空気が変わる


私は以前はこうなっていた。ピリピリしていて、周りからそのオーラが分かるから


声をかけづらいというのもあったが、今は犬たちがいるから


いろんな人に声をかけてもらえるようになった


だから最高のパートナーです


摂津市にある公民館。安藤さんたちは、この日、聴導犬を知ってもらうための講演会を開きます。


頑張ろうか


お仕事 分かっているね


「こんにちは~」


私の声 聞こえていますか


大丈夫ですか


安藤さんのライフワーク。それは、一人でも多くの人に聴導犬の存在を知ってもらうこと。
アーミと二人三脚で、懸命に訴えます。


(ガチャッと鍵が落ちる)


あ、何ですか? ありがと ありがとう


今でも ホテル・タクシー 拒否されます


嫌な顔をされても、説明して、ようやく分かってもらえます


だからまだまだ、聴導犬は広がっていないと思います


社会の皆が聴導犬を知らないのが問題だから


それをどう伝えるかが私の役目だと思う


聴導犬というのは、聞こえない私を社会につなげてくれる


私は幸せだなと思っています


(講演に参加した人たちの感想)
「聴導犬は聞いたことはあったけど、見たことがなかった。賢いと思った」
「知ることが大事だと分かりました」


安藤さんたちの想いは、一歩一歩実り始めているようです。


(テレビ局でのやりとり)
アナウンサーA「改めて取材させて頂いて、気づくことが多くて、例えば去年の台風21号、大きな被害がありましたよね。あの時も安藤さんは自宅で仕事に没頭して、外の様子に気付かなかったそうです。その時に聴導犬が、危ないからって知らせて、部屋の真ん中の方に安藤さんを誘導して、身を守ろうとしてくれたそうです。 でも耳が聞こえないっていうことは、そういうことが一つ一つ困るんだ、聴導犬は体の一部なんだなと思いました。」


コメンテイタ―A「耳の不自由な人の中にも、聴導犬のことを知らないという人が多いと言ってましたね。我々もそういうことを知らなかった。やっぱり知らせるということが大事なことなんでしょう」


アナウンサーB「知らないからこそ、タクシーやホテルで拒否されてしまうとおっしゃっていました。」


コメンテイターB「知らないことが悪いかどうかはさて置き、乗車拒否とか宿泊拒否されたときのことを考えると、胸が痛みます。
そういうことを日々経験してしまうと、外に出ることが怖くなってしまうと思います。だけど聴導犬がいたら、ほとんど普通の生活ができます。私たちができることは、聴導犬だから一緒に居てあげなきゃいけないということを教えてあげられたら、皆が生きやすいと思います。」


アナウンサーB「ちなみに、ホテルやレストラン、デパートそして交通機関、原則として受け入れを拒否してはいけないという法律が、既に2002年に施行されています。」




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